提出意見とそれに対する栃木県の考え方 「栃木県障害者差別解消推進条例の一部改正(案)」に対する意見募集を行った結果、1名の方から計1件の御意見をいただきました。貴重な御意見ありがとうございました。  提出された御意見を十分検討の上、それに対する県の考え方を次のとおりまとめました。 ○項目 社会的障壁の除去のための合理的配慮について ○意見の内容 (社会的障害の除去のための合理的配慮) 第13条 2 略 3 行政、県民及び事業者は、各部署に関連する業務(事業を含む)を行うに当たり、現に明らかに客観的観点から判断しても、社会的障害の除去を必要としている場合、且つ当該障害者からの意思表明が必要となった場合、コミュニケーション能力のある障害者は当事者直接により、コミュニケーション能力の十分でない障害者の場合には、通訳等の必要な第3者の援助による間接的な手段(手話、筆談、指筆談、その他現時点で開発されているコミュニケーションツール等)で、当該障害者の意思表明の権利利益を侵害しないよう、障害の状況に応じて、社会的障害の除去について、必要かつ適切な合理的な配慮をしなければならない。 特にコミュニケーション能力の十分でない障害者(例えば遷延性意識障害者等)の場合には、留意が必要なことは、言うまでもないが、既に本人のコミュニケーション能力を引き出す方法が開発されており、実用レベルで多数の家族等も習得し、当事者の意思を適宜確認している。 従って、法律の施行、実施、管理監督に関連する機関、県民及び事業者はコミュニケーション能力の十分ではない障害者を、第3者による通訳を、刹那的、一時的、直感的な観念で判断されるべきでなく、各コミュニケーションツールの開発経緯、実際の普及状況等を総合的観点より判断することが大切である。 それは「全ての障害者によるあらゆる人権及び基本的自由の完全かつ平等な享有を促進し、保護し、確保すること並びに促進すること」に違反しないためで、権利条約の障害者の目的でもある。 更にまた権利条約では障害者には「長期的な、身体的、精神的、知的又は感覚的な機能障害であって、様々な障壁との相互作用により他の者との平等を基礎として社会に完全かつ効果的に参加するものを有する者を含む」と謳われている。 なお、万が一、当事者が信頼している第3者の通訳による伝達内容に、正当な理由なく、疑義を持つことは、上記権利条約に明記された障害者の固有の尊厳を無視し、社会的障害を除外するどころか、不当な差別的扱いを増大させることになる。 ○意見に対する考え方 本条例における『社会的障壁の除去を必要としている意思の表明』については、障害者差別解消法と同様、障害者のみではなく、障害の特性等により本人の意思表明が困難な場合における、障害者の家族、介助者等コミュニケーションを支援する方が、本人を補佐して行う意思の表明も含み、コミュニケーションの手段については限定しておりません。 つきましては、改正案の修正は行いませんが、条例改正の内容については県民にわかりやすく伝えられるよう、工夫しながら普及啓発を行って参ります。