フォトとちぎ2014冬号
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飯野歌舞伎(茂木町)松本歌舞伎(益子町) 益子町山本地域では、「松本歌舞伎舞台」が地域の人たちによって受け継がれています。これは松本三ノ宮神社境内で行われる郷土芸能の舞台。始まりは江戸時代後期と伝えられています。歌舞伎舞台背景襖絵(益子町指定文化財)が遺されていることから、かつては歌舞伎が演じられていたようです。舞台公演は、しばらく途絶えていましたが2003年、地元自治会により50年ぶりに復活。現在では4年に一度、自治会の人たちが舞台を設営し、郷土芸能を披露しています。 茂木町東部にある飯野地区に伝わる地芝居「飯野歌舞伎」が始まったのは、明治時代の中頃です。飯野地区で農業を営む渡辺松太郎翁が、隣町の茨城県下館で公演していた市川延十郎という歌舞伎役者から習って、近所の農家の人と「大都座」を結成し、演じたのが発端と伝えられています。「大都座」の評判は瞬く間に広まり、地元の神社のお祭りだけでなく近隣の村にも出かけ公演していました。大正期にはもうひとつの「旭座」が旗揚げ、飯野歌舞伎は全盛期を迎えます。戦争のため一座は解散。新たに「都座」「大都座」旗揚げなど盛衰を繰り返し、1966年の公演を最後に途絶えていました。しかし1986年、渡辺松太郎さんの孫で『大都座」の座元でもあった高橋正元さんの指導で、地元のお囃子保存会を中心に練習を開始。同年11月には、飯野小学校の講堂で復活公演を成功させました。現在は地域のイベントなどで上演するほか地元の小学校で指導を続けています。           (茂木町無形文化財)フォトとちぎ2014冬12

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